認知行動療法を学ぼう世界の大学と病院を歩く丹野研究室の紹介駒場の授業
home世界の大学と病院を歩く各学会の情報

各学会の情報

ページのトップへ戻る

1.英国認知行動療法学会 BABCP British Association of Behavior and Cognitive Psychotherapies

1972 年に創設されたイギリス行動療法学会が、1992年に、イギリス行動認知療法学会と改名されました。イギリスの国内学会ではありますが、国際的な学会で す。7割くらいが臨床心理士で、3割くらいが精神科医とのことです。この学会のリーダーは、D・M・クラーク(ロンドン大学),サルコフスキス(ロンドン 大学)、タリア(マンチェスター大学)、バーチウッド(バーミンガム大学)、ガレティ(ロンドン大学)、ウェルズ(マンチェスター大学)といった人々であ り、いずれも世界的に知られています。リーダーの多くが30歳代~40歳代という若さです。この学会への参加者も20歳代~30歳代の若い人が多いようで す。認知行動療法そのものがまだ若い学問であり、イギリスの臨床心理士の平均年齢も低く、全体にのびのびとしていてパワーがあります。大会への参加者は 1000人ほどで、大きすぎず小さすぎず、手頃な規模です。中心はシンポジウム・講演・ワークショップであり、研究発表をするというよりは、会員が新しい ことを勉強するということが主眼となっています。

 この学会は「認知行動的心理療法Cognitive Behavioural Psychotherapies」 という学会誌を発行しています。雑誌の編集はサルコフスキスがおこなっています。筆者は2000年にこの学会に入会したのですが、入会すると、学会誌と 「BABCPNew」というニューズレター誌が定期的に送られてきます。このニューズレターにはいろいろな情報が載っていて役に立ちます。年会費は49ポ ンド(約9000円)で、クレジット・カードで支払うことができます。

ホームページは  http://www.babcp.org.uk/

 この学会の最近の開催地は、ロンドン(2000年),グラスゴウ(2001年),ウォリック(2002年),ヨーク(2003年)、マンチェスター(2004年)、カンタベリー(2005年)です。以後は、ウォリック大学(2006年)、ロンドン(2007年)、エディンバラ(2008年)の予定です。

 日本人の参加者は、筆者の知る限りでいうと、グラスゴウ大会(2001年)が1名,ヨーク大会(2003年)が3名、マンチェスター大会(2004年)が15名、カンタベリー大会(2005年)が2名です。

*以下の大会の記録を、本ホームページに載せています。
2001年のグラスゴウ大会、2003年ヨーク大会、2005年カンタベリー大会。

ページのトップへ戻る

2.ヨーロッパ認知行動療法学会 EABCT European Association of Behavior and Cognitive Therapies

 この学会は、1976年に、ヨーロッパの各国の行動療法学会が連合してできた学会です。1992年に、認知療法が加わって、ヨーロッパ行動認知療法学会と改称しました。現在は、29カ国から36の学会が加盟しています。上述のイギリス行動認知療法学会もそのメンバーです。毎年9月にヨーロッパ各地で大会が開かれます。参加者は例年500名くらいで、小規模のこじんまりした学会です。参加者は、主催した国の人が多くなりますが、講演やワークショップには、世界的に著名な臨床家が多数参加します。

 ホームページは次の通りです。 http://www.eabct.com/

 使われる言葉は英語ですが、非英語圏で開催されることが多いので、英語のレベルは低くなります。したがって,日本人にとっては英語は聞き取りやすいので、参加しやすいと思われます。

 最近の開催地は、(9月7日~11日)。2004年のEABCTは、マンチェスターで、9月7日-11日に開かれました。BABCPとの合同開催でした。出席者は多数。場所は、マンチェスターのUMIST(University of Manchester Institute of Science and Technology:ユーミストと読む)でした。マンチェスター駅から歩いてすぐのキャンパスなので便利な場所です。マンチェスターはロンドンから列車で3時間。

例年は9月に学会。毎年3~4月頃にポスター登録〆切。

 この学会は非英語圏での大会なので、英語のレベルは低くなりますので、日本人にとっては聞き取りやすいと思われます。ぜひお勧めです。主眼はシンポジウム・講演であり、学会員が勉強するのが主。 ワークショップもおすすめ。ポスターは小規模。学会員以外も出られる。学生割引あり。

 この学会の最近の開催地は、トルコのイスタンブール(2001年),オランダのマーストリヒト(2002年),チェコのプラハ(2003年)、イギリスのマンチェスター(2004年)、ギリシアのテッサロニキ(2005年)です。以後は、フランスのパリ(2006年)で開かれる予定です。

 日本人の参加者は、筆者の知る限りでいうと、マーストリヒト大会(2002年)では3名,プラハ大会(2003年)では10名、マンチェスター大会(2004年)では15名、テッサロニキ大会(2005年)では12名(うち丹野研から8名参加)です。

*以下の大会の記録を、本ホームページに載せています。

 2003年のプラハ大会。
*学会のホームページは次の通りです。 http://www.eabct.com/
*2006年は、9月20-23日に、フランスのパリで開かれます。
   websiteは http://www.eabctparis2006.com

ページのトップへ戻る

3.アメリカ行動療法認知療法学会 ABCT Association for Behavioral and Cognitive Therapies

 この学会は、以前はAABT(行動療法促進学会)と呼ばれていました。AABTは、1966年に創設されました。学会の名前は「行動療法」となっていますが、実質は認知療法と行動療法のすべてを含んでいました。そこで、2004年の大会の選挙で名称を変えて、ABCT(行動療法認知療法学会)となりました。

 この学会は「行動療法Behavior Therapy」と「認知行動実践Cognitive and Behavioral Practices」いう2つの学会誌を発行しています。筆者は2002年に入会したのですが、入会すると、2つの学会誌のうちの1種と「行動療法家Behavior Therapist」というニューズレター誌が定期的に送られてきます。このニューズレターにはいろいろな情報が載っていて役に立ちます。年会費は175ドル(約19000円)で、クレジット・カードで支払うことができます。

 この学会には、認知療法・行動療法で世界的に有名な人が参加します。アメリカの国内学会とはいうものの,イギリスやオーストラリアなど世界からの参加者があります。毎年の参加者は3000人であり、巨大な学会です。だいたい日本心理学会と同じ数の参加者です。毎年11月に、大きなホテルで大会が開かれます。会員は、このホテルに宿泊し、4日間缶詰になって学会に参加します。

 ホームページは次の通りです。 http://www.aabt.org/

例年は11月に大会(Thanksgiving dayの前の週)。木曜日がワークショップ,金曜から日曜日の昼過ぎまでが大会です。だいたい演題締め切りは1月くらい,アブストラクトは3月くらいです。ここは、毎年この学会に参加している坂野雄二先生の情報.

 例年、大きなホテルで開かれます。それは交通と宿泊の便を考えてのようで、だいたいヒルトン・ホテル、マリオット・ホテル、シェラトン・ホテルなどとのこと。多くの会員は、このホテルに宿泊し、4日間缶詰になって学会に参加します。宿泊費については、学会の格安料金が設定されるので、たいぶ格安で泊まれるようです。ワークショップがたくさん開かれます。ワークショップのほかにも多彩なプログラムが用意されています。学会参加費は、2002年は、非会員の当日参加費は410ドル、学生は110ドルでした。丹野は学会の受付で会員になりました。

 最近の開催地は、フィラデルフィア(2001年),リノ(2002年),ボストン(2003年)、ニューオーリンズ(2004年)、ワシントン(2005年)です。以後は、シカゴ(2006年)、フィラデルフィア(2007年)、オーランド(2008年)、ニューヨーク(2009年)で開かれる予定です。

 日本人の参加者は、筆者の知る限りでいうと、リノ大会(2002年)では3名,ボストン大会(2003年)では15名、ニューオーリンズ大会(2004年)では30名、ワシントンDC大会(2005年)は約20名でした。

*以下の大会の記録を、本ホームページに載せています。

 2003年のボストン大会、2004年のニューオーリンズ大会。
*2005年11月17~20日にワシントンDCで開かれます。会場は、ワシントン・ヒルトン&タワーズです。
*2006年には、シカゴで開かれます。2006年11月16~19日、会場は、シカゴ・ヒルトン&タワーズです。

ポスターなどの演題締め切りは1月くらいになります。

ページのトップへ戻る

4.世界行動療法認知療法会議 WCBCT World Congress of Behavioral and Cognitive Therapies

 この学会は、3年に一度開かれる行動療法・認知療法の国際学会です。1979年から開かれてきた世界行動療法会議と、1983年から開かれてきた国際認知療法学会(後述)が、1995年から合体して開かれるようになったものです。図3に示すように、第1回は、1995年にコペンハーゲン(デンマーク)で開かれました。第2回は1998年にアカプルコ(メキシコ)で,第3回は2001年にバンクーバー(カナダ)で開かれました。第4回は2004年に神戸(日本)で開かれました。第5回は2007年にバルセロナ(スペイン)で開かれることになっています。

 毎回、世界の50カ国から2000名の参加者があります。日本人の参加者も多く、第1回(コペンハーゲン)は240名、第2回(アカプルコ)は180名,第3回(バンクーバー)は260名の日本人が参加しました。第4回の神戸大会では1126名の日本人参加者がありました。

 3年に一度の開催。1995年デンマーク大会で強迫研究のObsessive compulsive cognitions working groupが作られたのは有名。
 2001年のバンクーバー大会の記録は、後に載せてあります。
 2004年の神戸大会の記録は丹野研のホームページに載せてあります。

*バルセロナ2007で認知行動療法を学ぼうキャンペーン
 次回は、2007年に、バルセロナ(スペイン)で開かれます。
 詳しい情報は、丹野研のホームページにまとめてあります。

場所:スペインのバルセロナ
   バルセロナ国際会議センター(Barcelona International Convention Centre: CCIB)
日時:2007年7月11日~15日
学会ホームページ    http://www.wcbct2007.com

ページのトップへ戻る

5.国際認知心理療法会議 The International Association for Cognitive Psychotherapy

 アーロン・ベックが中心となって作られた国際学会です。現在は、アーサー・フリーマンが会長をつとめています。以前はポール・サルコフスキスが会長でした。

 この学会は「季刊国際認知的心理療法雑誌Journal of Cognitive Psychotherapy: An International Quarterly」という学会誌と、「認知療法 Cognitive Therapy」というニューズレター誌を発行しています。学会誌の編集はロバート・リーヒーがおこなっています。

 ホームページは次の通りです。http://iacp.asu.edu

 これまでの学会の開催地は、スウェーデンのウメオ(1986年),イギリスのオクスフォード(1989年),カナダのトロント(1992年)でした。1995年からは、前述の世界行動療法認知療法会議(WCBCT)と合体して、デンマークのコペンハーゲン(1995年),メキシコのアカプルコ(1998年),カナダのバンクーバー(2001年)で開かれました。 WCBCTと合体してからも、独自の大会を開いており、2000年には、イタリアのシチリア島のカターニアで大会がおこなわれました。 2005年にはスウェーデンのヨーテボリで開かれました(5月13~17日)。ヨーテボリの大会では、チベットのダライ・ラマとアーロン・ベックの対談がおこなわれました。
 この大会に出席した杉浦義典さんの記録が後に載せてあります。日本からも数名の参加者があったようです。

ページのトップへ戻る

6.アジア認知行動療法会議 Asian Cognitive Behaviour Therapy (CBT) conference

 アジアにおける認知行動療法の会議で、2006年5月に初めて開催される予定です。2004年に神戸で開かれたWCBCTはアジアに大きなインパクトを与え、アジアでも認知行動療法系の国際会議が必要であると考えられるようになりました。このたび、シァン・ウェイ教授(Tian Oei, クイーンランド大学/オーストラリア)が主催して、アジア認知行動療法会議が開かれることになりました。香港という都市は、少し前まで英語圏だったいうこともあり、香港の心理学者はイギリスやアメリカに直接行って最新の認知行動療法を勉強しているため、認知行動療法がきわめてさかんになっています。香港は日本との時差の1時間だけですし、この機会を利用して、認知行動療法の本場のひとつとしての香港をぜひ見てみたいものです。

日時:2006年5月28日~30日
会場:香港中文大学 Chinese University of Hong Kong

 この会議のテーマは「エビデンス・ベースの査定・理論・治療」というものです。会議の目的は、アジアでおこなわれているエビデンス・ベースの認知行動療法について広く世界に示すことと、広くエビデンス・ベースの実践一般(エビデンス・ベースの査定・理論・治療)についての研究を発表することです。

 5月28日は学会前ワークショップが開かれ、デイビッド・バーロウ(ボストン大学)やティアン・オエイなどが担当します。29日と30日が学会で、デイビッド・バーロウが基調講演を開く予定です。

 ポスター発表やシンポジウムの申し込みは、〆切が2006年3月1日です。直接オエイ教授にメールで申し込みます(asiancbt@psy.uq.edu.au)。

 学会参加費は、一般160ドル、学生85ドル(ただし、2006年3月31日前に登録すると、一般130ドル、学生75ドルになります)、ワークショップ120ドルです。
 この大会の詳しい情報は、以下のホームページに出ています。
    http://www.psy.cuhk.edu.hk/

 また、学会のポスターは、日本行動療法学会のホームページ
  http://wwwsoc.nii.ac.jp/jabt/news.html に掲載されています。

 第2回は2008年にタイで開かれる予定です(場所と日時は未定です)。

ページのトップへ戻る

7.国際心理学会議 ICP International Congress of Psychology

 1984アカプルコ,1988シドニー,1992ブラッセル,1996モントリオール,2000ストックホルム,
2004年 北京、2008年ベルリン

 4年に一度、ちょうどオリンピックの年に開催されます。日本からの参加者数は、大会ごとに増えています。
1984アカプルコ大会 約100名
1992ブラッセル大会 360名
1996モントリオール大会 411名
2000ストックホルム大会 500名
2004年 北京大会550名

 北京の大会では、アメリカの386名を抜いて、外国からの参加者数は一位となりました。2008年のベルリン大会では、600名以上の参加者となるのではないでしょうか。この大会は、一度参加すると次も参加したくなることです。リピーター率はかなり高いようです。丹野もアカプルコ以来ずっと出席しています。北京の大会では、日本人が主催するシンポジウムがこれまで以上に多かったということが収穫でした。

*次回は,2008年7月20-25日に、ドイツのベルリンで開かれます。日本からも多くの講演やシンポジウムやポスター発表を出したいものです。「統合失調症の臨床心理学」というタイトルでシンポジウムを申請中です。
ポスターなどの登録〆切は2007年10月1日。
 ホームページ  http://www.icp2008.de
2012年のICPはケープタウン(南アフリカ)で開かれます。

ページのトップへ戻る

8.国際応用心理学会 IAAP International Association of Applied Psychology

1990京都、1994マドリード、1998サンフランシスコ、2002年シンガポール、2006年アテネ
4年おきに開かれる。ICPと交互。
京都大会には丹野も発表した。

9.世界精神医学会 WPA World Psychiatric Association

2002年 横浜 2004年イタリア
2001年12月1日がポスター発表の登録〆切です。学生の参加費は25000円。
ホームページ http://wpa2002yokohama.org

10.国際計量心理学会 IMPS

2002年 横浜 2004年イタリア
2001年12月1日がポスター発表の登録〆切です。学生の参加費は25000円。
ホームページ http://wpa2002yokohama.org

ページのトップへ戻る

11.国際個人差研究学会 ISSID International Society for Study of Individual Dofference とヨーロッパ・パーソナリティ学会

 この二つの学会は、1年おきに交互に開かれるそうです。ここは、毎回この学会に参加している若林明雄先生(千葉大)の情報。
 2003年は、ISSIDがオーストリアのグラーツで。

12.国際統合失調症会議 ICONS International Conference on Schizophrenia (ICONS of SCARF)

2004年 1月29-2月2日  Chennai, India。
 ポスター発表の〆切は?
ホームページ http://icons-scarf.org/home.htm

13.国際健康心理学会

2002年シンガポール 2004年韓国
2002年は、IAAP国際応用心理学会と連動して開かれました。

*2004年の国際健康心理学会は、2004年8月に韓国で開かれます。北京のICP(国際心理学会議)と連動して開かれるそうです。

ページのトップへ戻る

14.アメリカ心理学会

 2005年で第113回目を迎える世界で最も古い心理学会のひとつである。アメリカ心理学会は会員数16万人で、年次大会も1400人が参加する巨大な学会である。筆者は2005年のワシントンDC大会に初めて参加したが、いろいろな点で感銘を受けた。

 発表申し込みが前年の12月くらいで、大会は8月にある。
 次回のポスター発表などの申し込みの〆切は 2005年12月2日。
 開催地と開催地は2013年まで決まっている。

 2005年は8月18-21日 ワシントンDC
 2006年は8月10-13日 ニューオーリンズ
 2007年は8月16-19日 サンフランシスコ
 2008年は8月14-17日 ボストン
 2009年は8月6-9日  トロント
 2010年は8月12-15日 サンディエゴ
 2011年は8月4-7日  ワシントンDC
 2012年は8月2-5日  シカゴ
 2013年は7月31-8月4日ホノルル

なお、これまでの大会の資料は、APAのホームページで見ることができる。

15.その他

ヨーロッパ心理学会  2003年はウィーン 7月
IHSRC 人間科学研究国際会議 International Human Science Research Conference
 2001年8月 代々木オリンピック記念青少年総合センター
質的研究の学会  ホームページ  http://www.tais.ac.jp/ihsrc/
国際ストレス学会 など

ページのトップへ戻る