2010年に入って、認知行動療法は社会からの注目を浴びるようになりました。マスメディアでも認知行動療法が取りあげられることが多くなり、社会からの熱い期待が寄せられています。2010年4月からは、認知行動療法は精神科の保険診療として認められました。社会から正式に認められたわけで、新たな歴史の段階を迎えたと言えるでしょう。
認知行動療法は決して一時的な流行やバブルなどではありません。この10年間に、世界の心理学や精神医学では、3つの大きなパラダイムシフトがおこっています。
第1は、精神分析療法から認知行動療法へ移行です。
第2は、エビデンス(科学的根拠)にもとづく実践の定着です。
第3は、職業としての科学的臨床心理学の確立です。
こうしたパラダイムシフトは、社会のストレス増大とメンタルヘルスの悪化という社会状況において、宗教に変わる科学的メンタルヘルスの専門家が求められたことに応じたものです。認知行動療法は、このような世界の地殻変動の結果であって、決して流行やバブルではないのです。こうした世界の流れからみると、日本は遅れていると言わざるをえません。関係者は一丸となって、認知行動療法の普及とそれによる国民のメンタルヘルス向上に向けて全力をあげなくてはなりません。
臨床心理士や医療関係者の間では、パラダイムシフトに乗り遅れまいとして、認知行動療法を学ぶニーズがとても高まっています。しかし、組織的に学べる施設はたいへん少ない段階です。そこで、このホームページでは、2010年に開催される認知行動療法のワークショップ(研修会)を紹介します。
いずれのワークショップも受講希望者が殺到し、募集を開始してすぐに定員に達する状況にあります。できるだけ早く申し込まれることをおすすめします。すでに締め切られたものがありましたらご容赦下さい。