卒業生の紹介:杉浦 義典 Yoshinori Sugiura
広島大学大学院総合科学研究科 准教授 杉浦 義典
職歴/教育歴
大学院では,学部生の実験演習のチューターをしてきました.大学での非常勤講師もしています.臨床は,学生相談などにかかわった経験があります.現在は,日本学術振興会特別研究員として研究を行っています.
学位
受賞歴
資格
- 平成12年1月より 日本学術振興会特別研究員(DC2)
- 平成13年4月より 日本学術振興会特別研究員(PD)
関心のある領域
強迫性障害(OCD)のメカニズムを研究してきました.危険を防ぐための方略でありながら,自分でコントロ ールできなくなるという強迫症状の特徴に関心があります.この特徴は,心配のようなより日常的な現象でも見られます. そこで,心配の メカニズムやストレス対処について研究を広げています.強迫性障害から初めて,意識や動機づけなど幅広い問題を理解することが目標で す.そのために認知科学,社会心理学など広く関心をもっています.また,最近は,強迫症状や心配を緩和する方法としての注意のコント ロールにも関心があります.
ひとこと
「ストレス対処から見た心配の認知的メカニズム」(風間書房)が発行されました.
業績
学位論文
- 杉浦義典 1998 不安認知の二面性-心配の制御と制御困難性 東京大学大学院教育学研究科修士論文
- 杉浦義典 2002 心配の認知的メカニズムの研究-ストレス対処の観点から 東京大学大学院教育学研究科博士論文
著書
- 杉浦義典 2000 質問紙法 下山晴彦(編)臨床心理学研究の技法 第8章3節 福村出版 Pp.216-224.
- 杉浦義典 2002 強迫性障害 下山晴彦・丹野義彦(編) 講座臨床心理学3 異常心理学Ⅰ 2部 3章 東京大学出版会 Pp.81-98.
- 杉浦義典 2002 サルコフスキスはどのような臨床研究をしているか 丹野義彦(編) 認知行動療法の臨床ワークショップ-サル コフスキスとバーチウッドの面接技法 第2章 金子書房 Pp.13-38.
- 杉浦義典 2003 アナログ研究 下山晴彦(編)「よくわかる臨床心理学」 第8章5節 ミネルヴァ書房 Pp. 216-217.
- 杉浦義典 2003 エビデンスベイスト 下山晴彦(編)「よくわかる臨床心理学」 コラム3 ミネルヴァ書房 Pp. 28-29.
- 杉浦義典 2003 検査法(1):質問紙法 下山晴彦(編)「よくわかる臨床心理学」 第2章3節 ミネルヴァ書房 Pp. 38-39.
- 杉浦義典 2003 認知心理学的研究 下山晴彦(編)「よくわかる臨床心理学」 第8章7節 ミネルヴァ書房 Pp. 222-223.
- 杉浦義典 2003 ストレス対処から見た心配の認知的メカニズム 風間書房
雑誌論文
- 杉浦義典 1998 不安の認知的アセスメント 精神科診断学,9,469-478.
- 杉浦義典 1999 心配の問題解決志向性と制御困難性の関連 教育心理学研究,47,191-198.
- 杉浦義典 2000 強迫性障害への認知的アプローチ 現代のエスプリ,392,118-126.
- 杉浦義典 2000 強迫性障害への認知的アプローチ 現代のエスプリ,392,118-126.
- 杉浦義典 2001 心配への認知的アプローチ:能動性に着目して 教育心理学研究,49,240-252.
- 杉浦義典 2002 問題焦点型対処方略と思考の制御困難性の関連-問題解決過程を評価・制御する認知に着目して 教育心理学研究 ,50,271-282.
- Sugiura, Y. (in press) Detached mindfulness and worry : a meta-cognitive analysis. Personality and Individual Differences.
- 杉浦義典・丹野義彦 1998 大学生における非機能的な思考体験の因子分析による分類-強迫観念と自動思考の弁別 性格心理学研 究,7,51-53.
- 杉浦義典・丹野義彦 1999 抑うつ尺度の因子構造-逆転項目と抑うつ的項目は同一次元を形成するか 性格心理学研究,8,72-73 .
- 杉浦義典・丹野義彦 2000 強迫症状の自己記入式質問票-日本語版Padua Inventoryの信頼性と妥当性の検討- 精神科診断学,11,175-189.
- 池谷俊也・長尾浩史・杉浦義典・南川直三・志田尾敦・福原秀浩・永田利彦・切池信夫 2002 パニック障害における不安感受性と 破局的認知について:広場恐怖との関連 精神医学,44,977-983.
- 杉浦知子・杉浦義典 2003 認知的統制のストレス緩衝効果-抑うつとの関連 性格心理学研究,12,32-33.
- Tanno, Y, Ishigaki, T, Michimata, E, & Sugiura, Y 2000 Reliability and Validity of the scales measuring theme of paranoid ideations. International Journal of Psychology,35,75.
- 丹野義彦・石垣琢磨・杉浦義典 2000 妄想的観念の主題を測定する尺度の作成 心理学研究,71,379-386.
翻訳
- 杉浦義典 2002 SREFモデルからみた心理療法の効果 箱田裕司・津田彰・丹野義彦(監訳) 心理臨床の認知心理学-感情障 害の認知モデル 培風館 Pp.322-342. (Wells, A. & Matthews, G. 1994 Attention and emotion. Hove: Laurence Erlbaum. Pp.297-313.)
- 堀越勝・杉浦義典・毛利伊吹・森脇愛子・佐々木淳・管弥生・竹下賀子・小堀修 2002 不安障害の認知行動療法-サルコフスキス のワークショップ 丹野義彦(編) 認知行動療法の臨床ワークショップ-サルコフスキスとバーチウッドの面接技法 3章 金子書房 Pp.39-74. (Paul Salkovskis教授のワークショップの記録)
講演
- 杉浦義典 2003 心配のメカニズム:ストレス対処への固執と制御困難性(小講演) 日本心理学会第67回大会発表論文集,s20.
シンポジウム
- 杉浦義典・金築優・佐々木淳・代田剛嗣 ・鵜木恵子 ・松島英介 ・木村晴 ・佐藤徳 ・堀越勝 2003 強迫性障害への認知的アプローチⅠ:エビデンスとコラボレーション(ワークショップ企画) 日本心理学会第67 回大会,s72.
- 伊藤義徳・金築優・佐藤健二・藤原裕弥・大平英樹・富家直明・杉浦義典 2002 認知臨床心理学:認知心理学と臨床心理学のイン ターフェース(1)-自動的処理と統制的処理-(ワークショップ指定討論) 日本心理学会第66回総会論文集,s48.
- 辻平治郎 ・藤島寛 ・柏木繁男 ・木島伸彦 ・杉浦義典 ・櫻井茂男 2003 パーソナリティ特性研究の現状と将来展望(ワークショップ話題提供) 日本心理学会第67回大会,s64.
- 山口陽弘・杉浦義典・椎名乾平・渡邊芳行・須賀哲夫 2000 パーソナリテリィー心理学に認知科学の知見は組み入れられるか-両 者の相性はなぜ悪いのか?-(自主シンポジウム話題提供) 日本教育心理学会第42回総会論文集,s48-s49.
学会発表
- 杉浦義典 1999 問題解決過程としての心配-発話思考法による検討 日本心理臨床学会第18回大会論文集,354-355.
- 杉浦義典 2000 パーソナリティーが精神病理に及ぼす影響の二面性-構造方程式モデルを用いて 日本行動計量学会第28回大会論 文集,185-186.
- 杉浦義典 2000 心配の制御困難性を予測する認知的対処方略-情報回避・情報収集・解決策産出 日本教育心理学会第42回総会論 文集,563.
- Sugiura,Y 2001 Double-sided effects of problem focused coping:Do they promote well-being or increase distress? Poster session presented at 2001 World Congress of Behavioral and Cognitive Therapies
- 杉浦義典 2002 問題解決場面における認知の制御-心配を抑制する要因 日本心理学会第66回大会論文集,923.
- Sugiura,Y. 2002 Detached coping and worry. The 12th World Congress of Psychiatry Abstract, 2, 123.
- 杉浦義典 2003 思考の持続を支える性格特性および対処方略 日本心理学会第67回大会発表論文集,969.
- Sugiura,Y. 2003 Two types of meta-cognitions and worry.Poster session presented at the 11th Biennial Meeting of the International Society for the Study of Individual Differences.Graz, Austria.
- 杉浦義典・丹野義彦 1998 不安認知の問題解決的側面と制御困難性の関連 日本心理学会第62回大会論文集,64.
- 杉浦義典・丹野義彦 1998 心配の合目的性と病理性-自由記述の分析と尺度の開発- 日本心理臨床学会第17回大会論文集, 488-489.
- 杉浦義典・丹野義彦 1999 大学生における強迫観念と自動思考-多次元的測定の試み 日本心理学会第63回大会論文集,185.
- 杉浦義典・丹野義彦 2000 対処方略としての心配-問題解決との関連 日本心理学会第64回大会論文集,885.
- 石垣琢磨・丹野義彦・椎原康史・杉浦義典 2001 半構造化面接を用いた妄想的観念の多次元的検討 日本心理学会第65回大会論 文集,163.
- 伊藤明美・杉浦義典・丹野義彦 2000 侵入思考の多次元的検討 日本健康心理学会第13回大会論文集,300-301.
- Tanno, Y, Ishigaki, T, Michimata, E, & Sugiura, Y 2000 Reliability and Validity of the scales measuring theme of paranoid ideations The XXVII International Congress of Psychology,The Final Program of the XXVII International Congress of Psychology, p.87
- 丹野義彦・石垣琢磨・杉浦義典 1999 妄想観念チェックリストの診断的妥当性 日本心理臨床学会第18回大会論文集,494-495.
紀要
- 杉浦義典 1996 強迫性障害への認知行動アプローチ-概観と展望 東京大学大学院教育学研究科紀要,36,331-339.
- 杉浦知子・杉浦義典・馬岡清人 2003 認知的統制と関連する要因:性格特性,メタ認知と対処スタイル 日本女子大学大学院紀要 家政学研究科・人間生活学研究科,9,13-23.
- 丹野義彦・石垣琢麿・大勝裕子・杉浦義典 1999 パラノイア尺度の信頼性 このはな心理臨床ジャーナル,5,93-100.
- 丹野義彦・坂本真士・石垣琢磨・杉浦義典・毛利伊吹 1998 抑うつと推論の誤り-推論の誤り尺度(TES)の作成- このはな 心理臨床ジャーナル,4,55-60.
報告書:Cognitive and Behavioral Science Research Report
- Sugiura,Y. 2003 Two types of meta-cognitions and worry. Cognitive and Behavioral Science Research Report,#02-E02, pp.1-14.
- 丹野義彦・石垣琢磨・杉浦義典 1996 妄想の形式面のアセスメントにおける最近の研究動向 Cognitive and Behavioral Science Research Report,#96-J4,1-29.
- 丹野義彦・石垣琢磨・杉浦義典 1996 妄想の心理学的研究序説 Cognitive and Behavioral Science Research Report,#96-J2,1-20.
- 丹野義彦・石垣琢磨・杉浦義典 1996 妄想の多次元アセスメントと認知行動療法 Cognitive and Behavioral Science Research Report,#96-J5,1-38.
- 丹野義彦・石垣琢磨・杉浦義典 1997 妄想の主題のアセスメント-文献のレヴューと構造化の試み- Cognitive and Behavioral Science Research Report,#97-J2,1-27.
- 丹野義彦・石垣琢磨・山本真規子・杉浦義典・毛利伊吹 1997 健常者の精神病的体験を評価する面接法-SRPPECの紹介- Cognitive and Behavioral Science Research Report,#97-J6,1-22.
- 丹野義彦・石垣琢磨・山本真規子・杉浦義典・毛利伊吹 1997 妄想の素因や妄想的人格障害のアセスメント Cognitive and Behavioral Science Research Report,#97-J5,1-31.
- 丹野義彦・坂本真士・石垣琢磨・桑木野正尚・山本真規子・杉浦義典・毛利伊吹 1997 精神病への素因のアセスメント技法(1) Cognitive and Behavioral Science Research Report,#97-J4,1-25.
- 丹野義彦・坂本真士・石垣琢磨・山本真規子・杉浦義典・毛利伊吹 1997 抑うつの多次元的アセスメント-抑うつ症状・認知・行 動の相関研究- Cognitive and Behavioral Science Research Report,#97-J12,1-21.
- 丹野義彦・杉浦義典・毛利伊吹・森本幸子・森脇愛子・佐々木淳・小堀修・竹下賀子・山崎修道・伊藤由美・坂東奈緒子・下山真希 ・荒川裕美・高祖歩美 2003 双生児の心理的機能の発達に関する最近の研究:文献検索 Cognitive and Behavioral Science Research Report,#02-J1,1-5.