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『ロンドンこころの臨床ツアー』

ロンドン旅行を10倍楽しむページ

ロンドンこころの臨床ツアー 『ロンドンこころの臨床ツアー』丹野義彦
星和書店、2008年刊
本書は、ロンドンの大学めぐり・病院めぐりの旅行ガイドブックです。

ロンドンの大学のキャンパスを散歩し、臨床心理学や精神医学の臨床施設の歩き方を解説しています。実際に足で稼いだ情報満載。シャーロック・ホームズ博物館からセント・トーマス病院まで・・・。画期的なロンドンの新しいガイドブックです。ロンドンの医学や心理学の実態、歴史などの入門書としても楽しめる一冊。
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このホームページでは、本書で紹介した写真のカラー原版を公開し、インターネットのリンクを張っています。
本書を読まれる際には、ぜひこのリンクもご活用ください。→〈写真原版とホームページへのリンク〉

本書の目次

  1. ハムステッド精神分析地区: こんなに面白いハムステッド地区
  2. ブルームズベリ西部地区: ロンドン入門としてのブルームズベリ地区
  3. ブルームズベリ東部地区: こんなに面白いブルームズベリ東部地区
  4. バービカン地区: こんなに面白いバービカン地区
  5. ストランド地区: ロンドンのへそ
  6. ウェストミンスター地区: これだけは見のがせないウェストミンスター地区
  7. デンマーク・ヒル地区: こんなに面白いデンマーク・ヒル地区
  8. ベスレム王立病院地区: 世界最古の精神科病院のひとつ
  9. リージェンツ公園地区: こんなに面白いリージェンツ公園地区
  10. ハイゲート地区: こんなに面白いハイゲート地区
  11. ロンドンこころの臨床ツアーの底流をさぐる:こころの臨床ツアーとフリート川・タイバーン川の不思議な関係

本書の序文

ロンドンの「こころの名所」

 2012年のオリンピックはロンドンで開かれることになり、ロンドンはいま活気にあふれています。これからロンドンに対する興味もますます高まるでしょう。ロンドンに行く人も増えるでしょう。
 ロンドンは、国際政治や経済や芸術・ファッションなどで話題になる都市ですが、実は、医学や心理学の中心でもあるのです。世界中で、ロンドンほど、医学や心理学に関連した施設や歴史的名所が集まっているところはありません。フロイトが亡命したロンドンは精神分析学の国際的中心ですし、モーズレイ病院は精神医学と臨床心理学の中心地です。認知行動療法でも、カウンセリングでも、ロンドンは中心地のひとつです。また、ロンドンには、医学の博物館や歴史的名所がたくさんあります。

地球の歩き方 ロンドン こころの臨床版

 しかし、こうした情報をまとめて日本に紹介した本はありません。私は、2002年にロンドン大学の精神医学研究所に留学し、その研究成果を、拙著『認知行動アプローチと臨床心理学(金剛出版)』にまとめたのですが、この過程で気がついたことは、海外の臨床施設についての情報がほとんどないということでした。私が始めてロンドンを訪れた時も、モーズレイ病院がどこにあるのかすらわからず、往生したものでした。
 インターネットは、万能のように言われていますが、残念ながら、まとまった情報は意外に少ないのです。無駄な情報が多いので、検索には時間がかかります。
 旅行ガイドブックもそれほど役に立ちません。『地球の歩き方』や『個人旅行』、ミシュランなどの旅行ガイドブックは、確かに良くできていて、ロンドンの生活では重宝したのですが、ただし、臨床施設についてはほとんど解説がありません。結局は、現地にいる人に聞いたり、留学した人からの口コミに頼るしかありません。こうした情報がまとまっていれば、私ももっと楽しく生活できたのではないかと思います。
 そこで、私はロンドンの医学や心理学のガイドブックを作ろうと思いたちました。イギリスで見学したり学んだりする際に役立つ情報をまとめました。いわば、「地球の歩き方・ロンドンこころの臨床版」です。これがあれば、多くの人の参考になるでしょう。
 2002年にロンドンに滞在した時に、私は「ロンドン通信」と題するサイトを作り、こうした情報を公開しました。幸いにして評判がよかったので、帰国してから、星和書店の雑誌「こころのりんしょうa・la・carte」に連載させていただきました。それをまとめて大幅に加筆したのが本書です。本書はブログ本の一種とも言えるかもしれません。

地下鉄で巡るロンドン

 ロンドンの臨床施設の多くは、地下鉄の駅から歩いていけます。地下鉄は旅行者にやさしい乗り物です。はじめてロンドンを訪れた人が、バスや列車を利用するのは面倒ですが、地下鉄ならすぐに乗りこなせるようになります。
 ロンドンの地下鉄は網の目のように走っていますが、環状線(サークル・ライン)を枠組みとするとわかりやすいでしょう。図0-1をごらん下さい。ちょうど東京の中心部を山手線が囲んでいるように、ロンドンの中心部は地下鉄環状線に囲まれています。環状線を中心にすると、ロンドンの地理がスッと頭に入ります。
 ただし、環状線は、実際にはあまり利用しません。列車の時間間隔が長いので、時間がかかります。ロンドンにいる間、環状線を一周しようとしたことがありましたが、時間がかかるだけなので断念しました。環状線の中を南北に縦断するのが、ジュビリー線とビクトリア線とノーザン線です。また、東西に横切るのがピカデリー線とセントラル線です。
 ロンドンの地下鉄は、よく発達しています。街の至る所に、図0-2のような地下鉄の入口のマークがあります。一部を除けば、治安は悪くありません。
 ロンドンの地下鉄や鉄道の駅などは、以下のホームページに出ています。
   http://www.thetube.com/content/tubemap/
 地下鉄で回る場合は、一日券を買うことをおすすめします。地下鉄の一日券を買えば、同じゾーンの鉄道やバスは乗り放題です。ロンドンに来たばかりの頃の私は、このことを知らず、通勤のために一日券と鉄道の切符を両方買っていました。1ヶ月たってからこのことを知り、悔しい思いをしました。1日数百円ずつ損をしていたわけです。図0-2のような鉄道(ナショナル・レール)のロゴマークも街のあちこちで見られます。

ロンドンに行ったらここを見てください:観光名所の近くにあるこころの臨床施設

 旅行ガイドブックには、地下鉄ウェストミンスター駅でおりると、世界遺産の国会議事堂やビッグベンやウェストミンスター寺院があると書かれています。しかし、そこから3分ほど歩くと、有名なセント・トーマス病院があることや、そこから見た国会議事堂の眺めがとてもすばらしいといったことまでは、旅行ガイドブックには書いてありません。3分も歩けばこうした施設が見られるとなれば、「ついでに寄ってみよう」という気にもなるでしょう。
 また、地下鉄ジュビリー線で、ベーカーストリート駅でおりて、シューロックホームズ博物館をみたり、次のセント・ジョンズ・ウッド駅でおりて、ビートルズのアビーロードを見たりする人は多いでしょう。ところが、その2つ先の駅まで足を伸ばして、フロイト博物館やアンナ・フロイト・センター、タビストック・クリニックを見学する人は少ないでしょう。そういう情報がないからです。
 また、大英博物館を訪れる人は多いのですが、そこから3分ほど歩くと、ロンドン大学のユニバーシティ・カレッジや教育研究所、神経学研究所が見られることを知る人は多くありません。
 また、世界遺産のロンドン塔やタワーブリッジを訪れる人も多いでしょうが、そこから少し歩くと、ガイ病院や旧セント・トーマス病院の手術室博物館があることは、ほとんど知られていません。
 さらに、文学好きの人は、旅行ガイドブックをみて、ロンドン南部の「ロンドン漱石記念館」を訪ねて、夏目漱石のロンドン留学の軌跡を辿る人もいるでしょう。しかし、その近くに有名なモーズレイ病院や精神医学研究所があることは、ガイドブックには載っていません。
 もし、こうした情報がまとめてあれば、ロンドンに行って観光名所を見たついでに、「臨床施設を見たい」と思う方も出てくるでしょう。それをきっかけに、イギリスの臨床に触れて、それを本格的に学ぼうという方が出てくるに違いありません。本書のねらいはそこにあります。ロンドンへいらしたらぜひここを見てきてください。

ロンドン「心の名所」のまわり方

 本書は、これまでの旅行ガイドブックには載っていないとっておきのロンドン情報をまとめました。私自身が足で集めた情報です。ロンドンのフィールドワークといってもよいでしょう。
 ロンドンの臨床施設や大学を見学したり学んだりする際に役立つ情報をまとめてあります。その施設の地図、交通手段(最寄りの地下鉄駅、行き方)、住所、ホームページのアドレス、写真、概要、歴史、見どころ、どんな人がいるか、などの情報をまとめました。
 各章の冒頭にその地区の概略を入れてあります。これは、その地区の地理的なイメージを頭に入れていただくためのものです。正確な地図ではなく、あくまで概略図です。道路、建物、方角、縮尺などはデフォルメされており、正確なものではありません。
 情報はできるだけ最新のものにするように心がけましたが、その後変更があるものもあります。ホームページのアドレスは頻繁に変わります。博物館などの開館時間や最新の情報については、ホームページや旅行ガイドブックなどでご確認ください。
 できるだけ写真を入れるようにしました。イギリスは、冬になると、1日6時間しか日光が出ないため、3時頃には暗くなってしまいます。こうした制限があり、結構苦労して写真を撮りました。とはいえ、シロウトが小さなデジタル・カメラで撮った拙い写真です。決して見やすい写真ではありません。ぜひご自分の目で確かめることをお勧めします。

ロンドンへ行こう:ツアーの教科書として

 これを読むとロンドンに行きたくなるような情報をまとめました。旅の情報があれば、そこへ行ってみたくなるものです。本書を読まれたら、ぜひ、ロンドンへ行ってみてください。どんどん現地を訪れ、建物の中に入って見学してください。ぜひロンドン旅行を計画してださい。本書では、回りやすいルートを考えて配列しました。
 また、プロの旅行代理店の方は、専門家向けのロンドンこころの臨床ツアーを企画していただけないものでしょうか。タビストック・クリニックの日本人の先生を訪ねたときに、面白い話を聞きました。ある日、日本のある大学の心理学科が、バスでツアーを組んで、タビストック・クリニックに見学にやってきたというのです。単に興味本位で見学するのであれば、患者さんやスタッフに対して失礼ですが、臨床の専門家や専門家の卵を対象にした教育的な行為であれば、大きな意義があります。専門家やその卵が、世界的な施設を見学して現場に触れることはたいへん役に立ちますし、これからの日本の臨床心理学の発展につながります。
 専門家向けのロンドン・ツアーを企画する場合、この本は、その教科書として使えます。そのように作ったつもりです。
 本書によって、ひとりでも多くの方が、ロンドンや現代臨床心理学・現代精神医学に興味を持っていただけることを願っています。

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本書のあとがき

イギリス:科学的臨床心理学を生んだ土壌

 私が2002年に留学した時は、イギリスそのものに興味があったわけではありません。私は、いたずらに「イギリスのものは何でも良い」とする外国崇拝の輩ではありませんし、イギリスの文化を研究している者でもありません。社会システムや社会の情報化など多くの側面においては、日本はすでにイギリスを追い越しており、イギリスに学ぶところは少ないとすら思っています(これについては、いつか機会があればまとめてみたいと思っています)。
 私の留学の目的は、精神病についての臨床心理学研究でした。研究する中で、私はイギリスの科学的な臨床心理学や認知行動療法に接して、目を開かれる思いをしました。「日本の非科学的な臨床心理学はこのままではいけない」と危機感を深めていた私は、イギリスの臨床心理学をモデルにして、日本の臨床心理学を変えなくてはならないと強く思いました。
 そこで、私は、イギリスの臨床心理学をよく知り、それを日本に伝えたいと思いました。留学中に、多くの専門家に会ってインタビューし、資料を集めることにしました。イギリスでインタビューした心理学者や精神医学者は60名にのぼります。これをもとに、帰国後、数年かけて、拙著『認知行動アプローチと臨床心理学(金剛出版)』を出すことができました。
 こうした中で、科学的な臨床心理学を生んだイギリスという場所にも興味を持つようになってきました。また、日本の臨床心理学を変えるためには、自分が勉強するだけではなく、ひとりでも多くの専門家にイギリスに行っていただき、イギリスの臨床心理学や精神医学を知っていただくことが大切だと思うようになりました。そうした考えの一環として私は本書を書きました。

ロンドンの魅力:最先端と歴史の交錯

 ロンドンは、国際政治や経済や芸術・ファッションなどで話題になることが多いのですが、本書を読んでいただいた読者は、ロンドンが医学や心理学の中心地であることがおわかりいただけたと思います。
①フロイト親子が亡命して以来、ロンドンは精神分析学の国際的中心です。
②ロンドンは、医学の中心です。よく、人文科学のオクスフォード大学と、自然科学のケンブリッジ大学が比べられますが、医学ではロンドン大学が中心です。1990年代まで、ロンドンには12校もの医学校がありました。他の地には見られない多さです。
③モーズレイ病院やそこに併設された精神医学研究所は精神医学の世界的中心地です。
④ロンドンは、連合主義心理学が育った場所でもあり、ロンドン学派と呼ばれるほど心理学の世界的中心のひとつです。
⑤モーズレイ病院は、また、アイゼンクが活躍し、臨床心理学の発祥の地でもありました。精神医学研究所は、臨床心理士の指定校として、イギリスで最も人気のある学科です。
⑥認知行動療法について、ロンドンは、ベックを生んだフィラデルフィアと並んで、世界の中心のひとつです。
⑦ロンドンほど医療系の博物館の多いところはありません。そもそも、大英博物館やナショナル・ギャラリーに代表されるように、ロンドンは博物館の発祥の地なのです。
 私が本書を通して訴えたいことは、ロンドンの臨床心理学や精神医学にじかに触れていただきたいということです。

精神分析から認知行動療法革命への歴史を辿る旅

 本書の構成には、ひとつの仕掛けがあります。つまり、歴史を過去から現在に辿るという構成です。これによって、臨床心理学や精神医学の主流が、精神分析学から認知行動療法へと移っていることがご理解いただけたでしょう。
 臨床心理学や精神医学では、今、静かな革命が起こっています。1990年代に確立した認知行動療法は、これまでの精神分析療法にかわって、主流の座を占めるようになりました。第7章で述べたように、私が留学した精神医学研究所は、認知行動療法の革命の牙城でした。こうした革命の現場に立ち会うことができて、心理学者としてこれ以上の幸福はありません。研究所で学んだ臨床心理学を日本に還元することは、私の使命のようにも感じられたものです。
イギリスでは,「科学者-実践家モデル」をベースにして、科学にもとづいた臨床心理学や、エビデンスにもとづいた臨床心理学が主流です。その背景には、イギリス政府が「エビデンス(実証)にもとづく健康政策」を打ち出したことがあります。
 イギリスの臨床心理学を支え、心理士の資格制度を管理しているのは英国心理学会です。学会のビルは巨大です。日本の心理学会の事務所がマンションの一室を借りているのと比べると、桁が違うことが実感できるでしょう。日本では、現場での養成制度も未発達ですし、心理士の国家資格も実現していません。
 また、例えば、ユング派の事務所を見ると、とても小さいことに驚かれることでしょう。日本の心理臨床では力のある流派も、イギリスでは神秘主義扱いです。ほとんど力がないことが実感からわかります。日本では、まだ精神分析学の影響が強く、認知行動療法はまだ定着していません。この分野では、日本の常識は世界の非常識なのです。
 ひとりでも多くの臨床心理士が世界の臨床の現場を見て、日本の現状を自覚し、それを変えていただきたいと願っています。私がこの本を書いた真のねらいは、日本の臨床心理学の国際化(開国)にあります。本書は、日本の教科書では学べない「生きた世界臨床心理学入門」をめざしました。

生きたイギリス精神医学入門

 また、イギリスの精神科医療は、病院から地域医療へと地域医療(コミュニティ・ケア)へと大転換をとげました。日本にいると、精神病院のビルは巨大であり、脱病院化とかコミュニティ・ケアといってもピンときません。しかし、イギリスに行くと、脱病院化を目で見て実感することができます。イギリスの精神病院は小さな建物です。有名なモーズレイ病院も、意外に小さくて驚きます。町の至るところにコミュニティ・ケアの施設があり、町中のふつうのマンションが事務所になっています。そういう意味で、本書は、日本の教科書では学べない生きた精神医学入門ともなるでしょう。
 このように、本書は、「もうひとつの臨床心理学入門」「もうひとつの精神医学入門」をめざしました。臨床家は、おもに個人の心的世界にかかわる仕事をしているので、広く世界に目を向ける機会は少ないかもしれません。しかし、世界の臨床家の仕事に目を向けて、そこから学ぶことはとても大切です。

原点はウェストミンスター宮殿の美しさ

 イギリスの臨床心理学を調べるために、私は、留学中からイギリス中の大学や病院や図書館を回りました。帰国後も、毎年のように国際学会や旅行でイギリスを訪ねました。こうした体験の中から、ロンドンのイメージが固まってきました。
 原点はウェストミンスター宮殿です。第6章で述べましたが、留学中に、治療効果研究の方法論を勉強するために、セント・トーマス病院を毎週のように訪ねました。そのたびに、病院から見えるウェストミンスター宮殿の姿に感動しました。こうした体験を伝えたいと思いました。この体験が核となり、ハムステッド地区やブルームズベリ地区などでの発見が積み重なりました。

アカデミック観光の可能性

 また、留学している時には、日本から何人かの客が来て、イギリスを案内する機会がありました。このようなガイド役をするうちに、臨床施設や大学の資料や地図を集め、しぜんに臨床ツアーのガイドブックができてきました。これをもとにホームページ「ロンドン通信」を作り、本書が生まれたというわけです。
 このように、ガイドブックの骨格は自然に形作られたのですが、細部を裏づけるために資料を探したりする作業は意外に時間がかかり、帰国してから6年以上たってしまいました。ロンドンについて書かれた本もいくつか出版されており、それらを読めば読むほど、ロンドンは面白いと思うようになりました。本書では、そうした面白い役に立つ本を紹介するようにつとめました。
 病院と大学という2つの面からイギリスを見てみると、別の顔が見えてきます。バラバラだったロンドンのイメージが、ひとつの形を作り始めました。このような観点からイギリスを捉えた本はあまりありません。フリート川やタイバーン川のことは予期せぬ発見でした。これに気がついたときは、私自身たいへん驚きました。フロイトの思想は、21世紀になって影響力を失い、今では、認知行動療法に取ってかわられています。本書をまとめながら、20世紀と21世紀の思想史を体感することができました。
 今後、ロンドン以外のイギリスやアメリカについても、こころの臨床ツアーを企画していく予定です。

 最後になりましたが、雑誌への連載と出版を快く引きうけていただいた星和書店の石澤雄司社長と編集部の近藤達哉さんに深く感謝いたします。

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