認知行動療法を学ぼう世界の大学と病院を歩く丹野研究室の紹介駒場の授業
home世界の大学と病院を歩く4.エディンバラ(イギリス) 2005年5月29日更新

4.エディンバラ(イギリス) 2005年5月29日更新

 2005年3月に,イギリスの英国学校心理士研修に参加し、エディンバラ、グラスゴウ、ノッティンガム、ロンドン、ケンブリッジなどを回ってきた。この研修の報告は、「2005年英国学校心理士研修会の報告」に掲載した。
スコットランドの首都エディンバラは、街全体が世界遺産に指定されており、英国で最も美しい街である。エディンバラは、昔からヨーロッパの文化の中心地であった。地図を見るとわかるが、エディンバラは北海に面した港町であり、ヨーロッパの文化的中心として好位置にある。アダム・スミス、ウォルター・スコット、チャールズ・ダーウィン、コナン・ドイルなどが活躍した。また、エディンバラは心理学を育んだ街である(後述)。  エディンバラ大学は1583年に創設され、これはイギリスで最初の市民大学とされる。現在は22000名の学生が学んでいる(学部学生17000名、大学院生5000名)。大学は3つのカレッジからなり、それぞれのカレッジがいくつかの学部を持っている。エディンバラ大学については、観光ガイドブックにはほとんど載っておらず、大学の建物とは知らずに通りすぎてしまうことが多い。そこで、エディンバラ大学の心理学ガイドブックを作ってみた。

1)オールド・カレッジ

 ロンドンからの列車はウェイバリー駅に着く。エディンバラ国際空港からのリムジンバスも、ウェイバリー駅(プリンスズ通り)に着く。
 ウェイバリー駅からサウスブリッジ通りを歩いて10分で、オールド・カレッジに着く。エディンバラ城などの観光地からすぐのところにある。
 エディンバラ大学のオールド・カレッジは、古くて黒い建物である。正門を入ると、広い中庭があり、駐車スペースになっている。中庭のまわりを教室や研究室が囲んでいる。教室では、中で講義をしているところなども覗ける。とても威厳がある。中庭の一角に、タルボット・ライス美術センターがある(入場無料)。
 オールド・カレッジの周りのチャンバース通りには、王立博物館(ロイヤル・ミュージアム)がある(入場無料)。その向かいのミント・ハウスは、大学の建築学科である。中には、マシュー建築ギャラリーがあり,見学できる。
 大学の建物はエディンバラ市内に分散している。塀に囲われた敷地がなく、大学の建物と民間の建物が同居している。これは、オクスフォード大学やケンブリッジ大学など、イギリスの古い大学の特徴である。
 オールド・カレッジの少し先に行くと、大学のインフォメーション・センターがある。小さな建物だが、中に入るとエディンバラ大学の地図や、プロスペクタス(授業リスト)が無料でもらえる。「セルフ・ガイドツアー」というパンフレットは、エディンバラ大学のキャンパス・ツアーのガイドブックになっていて、わかりやすい。このパンフレットは、ホームページにも載っている。このパンフレットのとおりに歩いてみると面白い。インフォメーション・センターでは、エディンバラ大学のロゴ入りグッズも売っている。筆者は、エディンバラ大学の歴史の本を買った。その隣のビルは「フェスティバル劇場」である。劇場やカフェの入っているビルで、学生も並んでいた。
 オールドカレッジのあるサウス・カレッジ・ストリートの奥に、小さな歩行者用地下道(ポッターロウ・ポート)がある。これはタイムトンネルであり、これを抜けると、そこは別世界である。オールドカレッジは古いエディンバラ大学であるが、トンネルの先は、新しいエディンバラ大学である。

ページのトップへ戻る

2)ビストロ・スクエア

 歩行者用地下道(ポッターロウ・ポート)を抜けるとすぐに、ポッターロウ学生センターの建物がある。この中に、チャプレンシー・センターや健康センターがある。中は若い学生であふれ、熱気に満ちている。オールド・カレッジの威厳のある雰囲気とは正反対なので、驚くだろう。ちょうど東大の本郷と駒場の違いである。建物の中には食堂やショップがある。ここにも、エディンバラ大学のロゴグッズが置いてある。トイレも使える。
 すぐ前はビストロ・スクエアという広場になっている。このまわりに大学の建物が並んでいる。この広場はきれいな街並みである。エディンバラ大学のウェブページには、このビストロ広場での360度のパノラマビューのページがあり、バーチャル・ツアーが楽しめる。遠くホリルード山が望める(イギリスでは都市の近くに山が見えることは珍しい)。
 ビストロ・スクエアの回りには、いろいろな大学の建物がある。学生組合のあるテビオト・ロウ・ハウス(中はバーやカフェなど)、リード・コンサート・ホール(楽器の歴史博物館がある)、マッキーワン・ホールなどである。
 その隣には、医学部の建物もある。エディンバラ大学医学部は1726年創立で、18世紀から世界の医学の中心地として有名であった。多くの医学者を輩出した。進化論のダーウィン(1809-1882)や精神分析のフェアバーン(1889-1964)なども、エディンバラ大学医学部の出身である。

ページのトップへ戻る

3)ジョージ・スクエア

 ビストロ・スクエアの隣りは、大きな駐車場になっていて、その隣がジョージ・スクエアである。中央が緑の公園になっている区画である。ジョージ・スクエアは、心理学と関係が深い。
 ジョージ・スクエアの入り口は、神経科学のビルである。
 心理学科は、ジョージ・スクエアのヒュー・ロブソン・ビルにある(後述)。
 心理学科の隣りは、薬学の研究室である。近くにエディンバラ大学出版会もある。
 広場をぐるりと回ると、図書館の大きなビルがあり、レクチャーシアターなどが並ぶ。隣りに、デイビット・ヒューム・タワーとデイビット・ヒューム・レクチャーシアターがある。これは、哲学者のヒュームにちなんで名づけられたものである。
 デイビッド・ヒューム(1711-1776)は、連合主義心理学の生みの親である。ヒュームはスコットランドに生まれ、1740年に『人性論』を書き、ロックの観念論をより徹底させた。ヒュームによると、人間の観念は、感覚からボトムアップ的に機械的に組上がっていくのであり、自我が主体的にトップダウン的に観念を統合するのではない。ヒュームはひたすら感覚や観念の分析に終始し、観念連合の法則が人間の理解力を越えていると考える。主体も外界も神も認めないという徹底した点が、不可知論や懐疑論と称される。ヒュームによって「観念の連合」が主題となり、のちの連合心理学の土台が作られた。また、自然科学の方法を人間性の研究に適用して、人間の科学をうち立てようという志向があった。その点でも、ヒュームは連合心理学の祖といえる。
 デイビット・ヒューム・タワーというので、記念塔のようなものかと思っていたら、ただの高いビルであった。地下にはユニオン・ショップや食堂がある。トイレも使える。それから、ロバートソン・ビル、人文・社会科学カレッジ・ビル、インターナショナル・オフィス、アップルトン・タワーと大学の建物が並ぶ。
 また、ジョージ・スクエアの西側を通る「ミドル・メドウ・ウォーク」という散歩道は、自動車の侵入が規制された長い散歩道である。多くの人が歩いていた。イギリスにはこうした長い直線の散歩道がいくつかあって楽しめる。
 ミドル・メドウ・ウォークの向こう側は、王立病院(ロイヤル・インファーマリー)の巨大な美しい建物が並んでいる。王立病院は、市の東南部に引っ越したため、今は廃院となっているようだ。日本ならこうした建物はすぐ壊してしまうだろうが、イギリスでは壊さずに、別の用途で何回も使う。
 ミドル・メドウ・ウォークをまっすぐ行くと、フォレスト通りと名前を変える。ジョージ・ヘリオッツ中等学校や、「ベドラム」(精神病院)という劇場がある。この劇場は、古い教会風の建物に真っ赤な扉がついていて奇抜である。これは、イギリスでは唯一の学生によって経営されている劇場である。フォレスト通りには、情報学部の建物や、教会グレイフレアー・カークヤードがある。
 そのまままっすぐ行くと、ジョージⅣ世ブリッジ通りと名前を変え、国立図書館やニュー・カレッジ(大学の神学部)があり、エディンバラ市中心へと戻ってくる。

4)心理学科

 心理学科は、ジョージ・スクエアのヒュー・ロブソン・ビルにある。ビルの中に入ると、地下から3階までの吹き抜けのホールになっていて、そのまわりに教室や研究室が並んでいる。1階には保育所もある。
 エディンバラ大学は心理学を育んだ街である。ジェームズ・ミルやデイビッド・ヒュームなどの連合心理学はエディンバラでおこった。また、ヒュームの懐疑論に対抗して、エディンバラ大学のデューガルト・スチュワート(1753-1828)、トーマス・ブラウン(1778-1820)、ハミルトン(1788-1858)などが活躍し、スコットランド学派と呼ばれる。外界の存在や自我の存在、因果律をヒュームは否定したが、これらは人間にとって自明の常識(コモンセンス)であるとするので、常識学派(コモンセンス学派)とも呼ばれる。アメリカのプリンストン大学やハーバード大学では、1776年~1827年に、スコットランド学派の学者が講義をしたので、この学派の影響力が大きかった。アメリカ心理学の基礎となったのはスコットランド学派の哲学であるといえる。プラグマティズムや記号論で知られるパースは、スコットランド学派の考え方を発展させた。
 エディンバラ大学に心理学の実験室が作られたのは1907年のことであり、イギリスでは3番目に古い。1906年にスミスが実験心理学の講師となり、1907年に実験室が作られた。1940年頃までに、正式な心理学の講座があったのは、ケンブリッジ大学、ロンドン大学、エディンバラ大学、マンチェスター大学の4つだけであり、エディンバラ大学がいかに早かったかがわかる。その後、ジェームス・ドレーバーが長い間学科長をつとめた。精神分析学のフェアバーンなども非常勤講師で教えた。
 現在は、人文社会科学カレッジの中の哲学・心理学・言語科学部の中に心理学科がある。6名の教授をはじめ、35名のアカデミック・スタッフと700名の学生を抱える大きな学科である。スコットランドは、イングランドと違って、大学は4年制なので、学生数はやや多い。研究は、①認知研究、②社会心理・応用心理、③超心理学(パラサイコロジー)という3つのグループからなる。
 ③の超心理学は、心理学科にある「ケストラー超心理学ユニット」でおこなわれている。大学の心理学科としては珍しいことである。これは、『ホロン革命』や『機械の中の幽霊』などの作品で知られるアーサー・ケストラーの遺志により、1985年に作られた施設である。現在は、教授のロバート・モリスを中心に、ESPやサイコキネシスなどについて研究をおこなっているという。
 臨床心理学の指定校(博士課程)は、王立エディンバラ病院の精神科に設置されている(後述)。

ページのトップへ戻る

5)教育学部(モーレイ・ハウス)

 エディンバラ大学の教育学部は、モーレイ・ハウスにある。エディンバラの中心にあり、ウェイバリー駅から歩いて5分ほどである。エディンバラ城とホリルード宮殿を結ぶ道がキャノンゲート通りであり、その沿道はロイヤルマイルと呼ばれる。そのキャノンゲート通りと、一本並行して走るホリルード通りの間に、モーレイ・ハウスの10棟の校舎がある。
 この学部は、もともと自由教会(反英国国教派)の教会が、1838年に教員養成のために作った学校である。1848年からモーレイ・ハウスを本拠とし、モーレイ・ハウス教育研究所と呼ばれるようになった。1900年頃から正式の教員養成機関となり、1998年にはエディンバラ大学に吸収されて、モーレイ・ハウス教育学部となった。
 この学部の建物は、エディンバラの歴史的な遺産となっている。ひとつひとつの建物の歴史について、学部のウェブペ-ジで解説されている。
 最も古い建物は、オールド・モーレイ・ハウスである。エディンバラ大学の建物としても最も古い。オールド・モーレイ・ハウスのプレートには次のように書かれている。「この建物は1625年に、ホーム伯爵夫人によって建てられた。1643年に、娘のモーレイ伯爵夫人マーガレットが相続し、エディンバラで最もすばらしい家と賞賛されるようになった。その後、アーガイル伯、モントローズ候、クロムウェルとの関係があった。1848年に、自由教会の教員養成学校が、この建物を鉄道会社から購入した。」 アーガイル伯やモントローズ候は、1649年の清教徒革命による動乱時代に、エディンバラを支配した貴族である。彼らを征服したのは、清教徒革命をおこしたクロムウェルである(彼はナポレオンより100年以上前に、市民革命を起こした人物である)。クロムウェルは、スコットランドやアイルランドでは、カトリック教徒を多く虐殺したため、評判が悪い。現在の北アイルランド紛争の原点はここにあるという。そのクロウェルが、1648年から、オールド・モーレイ・ハウスを居宅にしていたという。この建物は、スコットランドの歴史の中心を生きてきたわけである。現在は教育学部の事務局となっている。
 残りの建物は、~ランドという名前がつけられている。古い順に、セント・ジョンズ・ランド(1766年頃)、パターソン・ランド(1913年)、トムソン・ランド(1929年)、ダルハウジー・ランド(1963年)などである。最も新しいのは、セント・レオナルド・ランド(2001年)で、ホリルード通りをはさんで向かい側に建てられ、スポーツ科学や身体教育のビルである。
 教育学部の仕事は、教員養成と教育研究である。前者についていうと、毎年100~150人の教員を養成している。また、研究は、次の5つの学科に分かれておこなわれている。①カリキュラム研究開発、②教育研究、③教育と社会、④高等教育・地域教育、⑤身体教育・スポーツ余暇研究である。
 筆者は、2005年に英国学校心理学研修に参加し、この学部のトムソン・ランドやパターソン・ランドで、教員から講義を受けた。
 学部長のパメラ・マン教授は、2000年に来日し、藤田英典氏(当時東京大学教育学研究科)のもとで「いじめ」について研究した。東京大学で、いじめについて「イギリスの教育革命: Social Inclusionの視点から」といったタイトルで講演をした。イギリスでも学校での「いじめ」が大きな問題になっており、マン教授はスコットランドで「いじめ防止ネットワーク」を作っていた。マン教授は、2003年にも、藤田氏(現国際基督教大学)の招きで来日し、国際シンポジウム「21世紀の教育実践と教師教育」に参加した。
 心理学者も研究していた。例えば、ツシャ・ラジェンドラン講師は、自閉性障害を持つ人のコンピュータ利用やITによる学習について研究している。自閉性障害を持つ人はコンピュータには親和性があるので、それを伸ばすことが大切としている。2005年9月には英国心理学会の発達心理学部門の大会が開かれ、バロン-コーエンやゲルダーなども発表するとのことで、ぜひエディンバラに来てほしいとのことだった。
 モーレイ・ハウスは、エディンバラ城、ホリルード宮殿、スコットランド議会、ホリルード公園などの観光名所の近くにある。スコットランドはイギリスの一地方というよりは、独立した国と言ってよい。スコットランド独自の紙幣や銀行もあるし、議会の建物も立派である(あまりに建物に予算をかけすぎたので、スコットランド市民は困っているとのこと)。また、ホリルード山は、一度見たら忘れられない姿である(山上からの見晴らしはすばらしいらしいが、筆者は登ろうと思いながらまだ果たせずにいる)。

ページのトップへ戻る

6)キングス・ビルディング・キャンパス

 市の中心部からバスで10分くらいのところに、キングス・ビルディング・キャンパスがある。ここは、周りが塀で囲まれているキャンパスで、おもに自然科学系の学部が集まっている。エディンバラ大のジョージ・スクエアとの間に、学内のバスが走っている。
 このキャンパスにも「セルフ・ガイド・ツアー」が作られており、大学のホームページでも公開されているので、参照するとよい。
 ウェスト・メインズ通りとメイフィールド通りに面して、キャンパスのゲートは4つある。
 キャンパスの中心に、キングス・ビルディング・センターがある。学生用のショップや2Fにはカフェなどもあり、トイレも利用できる。
 キングス・ビルディング・ハウスは、学生組合の建物でフードコートあり、ショップもある。トイレも利用できる。
 第3ゲートに近い動物学科の建物はしゃれている。中の様子が透けて見える開放的な作りである。建物の脇にいろいろな動物のレリーフが飾られていて楽しい。このレリーフのデザインが良い。キャンパスの奥にはダーウィン・ビルもある。
 キャンパスの端に、「英国地学サベイ」がある。入り口には、地学に関するショップや、ブックショップがある。展示コーナーもあり、筆者が行ったときは、インド洋津波の直後だったので、津波についての解説や、イギリスの津波の解説をしていた。金をかけて展示をしている。
 このキャンパスから西に少し行くと、王立天文台がある。

ページのトップへ戻る

7)王立エディンバラ病院(精神科と臨床心理学コース)

 エディンバラ大学の精神科と臨床心理学科は、王立エディンバラ病院にある。
 この病院は、市の南西部のモーニングサイドという場所にあり、エディンバラ大学のキャンパスからは離れている。タクシーでエディンバラ市内から20分ほど(6ポンド)である。バスもあるとのことだが、病院の敷地にバス停は見当たらなかった。モーニングサイドから歩くらしい。
 以前は、モーニングサイド病院と呼ばれ、トーマス・クラウストンが指導した。彼は、テュークやコノリーと並んで、イギリスの精神病院の開放運動家として知られている。
 精神科の単科病院であり、エディンバラ大学の医学部の教育病院になっている。静かで閉鎖的な印象である。敷地内に病棟がいくつか並んでいる。ピネルの胸像がレリーフとなっていた。塀などもなく、自由に敷地に入れる。
 研究棟は、ケネディ・タワーという新しい9階建てのビルであり、よく目立つ。このビルは、1955-60年に精神科教授をつとめたアレキサンダー・ケネディの名前をとったものである。
 エディンバラ大学の精神医学は歴史がある。最初に精神医学の講義をしたのはモニソンで、1864年にはレイコックが教授となった。これ以降、エディンバラはイギリスの精神医学の教育における中心地になった。1974年からは、ロバート・ケンデルが精神科教授をつとめた。彼は、ロンドン大学精神医学研究所で学び、統合失調症の診断基準を用いた研究をしている。
 1989年から、エディンバラ大学精神科の教授をつとめているのはイブ・ジョンストンである。彼女は、ノースウィック・パーク病院において、クロウ(のちにオクスフォード大学教授)やフリス(のちにロンドン大学神経学研究所教授)らとともに、統合失調症の画像診断や精神薬理などの生物学的研究をすすめた。その成果がクロウの2症候群仮説として結実した。
 また、うつ病の認知療法で有名な精神科医にブラックバーンがいる。ブラックバーンは、トワドルと共著で『認知療法イン・アクション』や、デイビッドソンと共著で『抑うつと不安への認知療法:実践家のためのガイド』を書いている。
 さらに、王立エディンバラ病院には、臨床心理学の博士課程(臨床心理士の指定校)が設置されている。教授のパワーをはじめとして、20名近くの教育スタッフがいて、毎年20名の学生を受け入れている。
 教授のミック・パワーは、認知と感情の理論的モデルについて研究している理論家である。ロンドン大学精神医学研究所などをへて、エディンバラ大学教授となった。著書に、ダルグライシ(ケンブリッジ大学)と共著の『認知と感情:秩序から障害へ』『認知と感情ハンドブック』で発展させたSPAARSモデルについて研究を進めている。ほかに、チャンピオンと共著の『成人の臨床的問題』がある(Champion & Power, 2000)。
 王立エディンバラ病院の隣は、ジョージ・ワトソン・カレッジという学校である。
 なお、エディンバラには、スコットランド人間関係研究所(SIHR)が1967年にできた。ここは、マック・タビ(スコットランドのタビストック)の愛称で知られる。

次を見る→

ページのトップへ戻る